最低賃金は雇用形態(常用、臨時、パート、アルバイト、嘱託等)や性別、国籍等を問わず、日本国内で働くすべての労働者(外国人技能実習生を含む)に適用されます。雇用主は最低賃金額に満たない賃金で従業員を雇うことはできず、かりに最低賃金額より低い賃金を雇用主と労働者の合意のうえで定めても、最低賃金法によって無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。また、雇用主が労働者に最低賃金額未満の賃金を支払った場合、最低賃金額との差額を支払うこととなります。最低賃金額以上の賃金を支払わない場合には、罰則(50万円以下の罰金)があります。
最低賃金は都道府県ごとに地域別最低賃金が定められ、さらに特定の産業・職業について特定(産業別)最低賃金が定められている場合があります。地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金の両方が適用される労働者には、高い方の最低賃金が適用されます。
なお、一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれなどがあるため、次の①から⑤の労働者については、雇用主が所轄の労働基準監督署を経由して、都道府県労働局長の許可を受けることを条件として、個別に最低賃金の減額の特例が認められます。
①精神または身体の障害により著しく労働能力の低い方
②試用期間中の方
③基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める方
④軽易な業務に従事する方
⑤断続的労働に従事する方