6月号

新たな時代を迎え青色申告運動を強力に展開 令和元年度事業活動基本方針(案)[2019年6月号]

全青色は4月25日、理事会において令和元年度事業活動基本方針の原案を取りまとめました。今後、各委員会での審議、全国の県連、各会からの意見を反映したうえで、6月26日開催の会員総会で決定します。
本年、わが国は、皇位継承により元号が改められ、平成に続く新しい時代「令和」を迎えた。来年は、日本税制報告書いわゆるシャウプ勧告にもとづく青色申告制度の施行と青色申告会の結成から70周年となる。先達の功績に感謝するとともに、青色申告会のさらなる発展に資するための周年事業を企画し、組織の充実・発展につなげていきたい。
平成の時代、わが国経済は長期停滞に苦しんだ。近年、一部の大企業を中心にようやく明るさが見え始め、企業収益は総額で約3倍、内部留保も約4倍に膨らんだ。一方、小規模事業者は大きな時代の変革の中で、景気の好循環を実感できず、厳しい状況が続いている。
本年度税制改正において、長年にわたる最重点要望事項のひとつであった個人事業者の事業承継税制が創設された。研修会などにより制度内容の理解を深め、円滑な世代交代を通じて事業の持続的発展を支援し、会員企業に貢献を続けることにより組織の発展をめざす。
個人事業者の継続・発展のため、青色事業主勤労所得控除の実現や消費税法の見直し、さらに税制の簡素化による納税環境の整備にむけて税制改正運動を強力に推進する。国民健康保険をはじめとした社会保障制度の財政健全化やマイナンバーカードによる健康保険資格のオンライン確認などの動向を注視する。
会勢拡大は、青色申告運動を推進する組織運営の根幹をなす。関係省庁や各種団体・機関との連携・協調を深化するとともに、ブロック連合会、県連ならびに地区会と会勢拡大にかかわる情報共有に努め、広報活動を積極的に展開する。また働き方改革や個人情報保護法改正など社会情勢の変化に対応し、適正な組織運営をはかる。
消費税率の引き上げと軽減税率の導入、青色申告特別控除65万円の適用要件の見直しなど申告納税環境は大きく変化していく。改正内容の広報・周知をはかり、情報通信技術を積極的に活用し、指導相談体制のさらなる強化に取り組む。
新たな時代を迎え、個人事業者から信頼される組織運営を進めるため、各地域において一丸となり青色申告運動に邁進する。

Ⅰ 税制政策活動の推進 ―個人事業者に係る税制等の整備―

わが国には、個人事業主の勤労性所得を認める税制上の仕組みはない。しかし、個人企業と経営実態が類似する同族法人企業の社長には、勤労の対価として、役員報酬が支払われ、給与所得控除が認められている。このため、個人事業主と社長との間には、所得税・住民税などの負担に大きな格差がある。
政府は、働き方の多様化を踏まえ、さまざまな形で働く人をあまねく支援し、「働き方改革」を後押しする観点から、平成30年度税制改正において給与所得控除を見直し、一部を基礎控除に振り替えた。本会は青色申告をおこなう個人事業主の勤労性所得を正当に評価した青色事業主勤労所得控除の創設を強く要望する。
円滑な納税環境を整備していくためには、「簡素」な税制の構築が欠かせない。消費税法をはじめ、さまざまな税制が個人事業者の企業経営を圧迫し、継続・発展を阻害しないよう、より簡素な税制の仕組みを求める。
国民健康保険について、都道府県単位での一元化の動向やマイナンバーカードによる健康保険資格のオンライン確認などの動向を注視する。
小規模企業税制確立議員連盟、関係省庁ならびに関係団体との連携・協調を深め、個人事業者に係る税制などの諸課題について要望運動を強力に推進する。

【重点事項】
1.青色事業主勤労所得控除の早期実現
2.消費税インボイス制度の見直し
3.税制の簡素化による納税環境の整備
4.社会保障制度改革の推進

Ⅱ 組織運営の強化 ― 青色申告運動と会勢拡大の推進 ―

個人事業者の事業承継税制が創設され、個人企業の継続・発展にむけた大きな支えとなった。本税制の活用を通じて、次世代への事業承継を支援し、青色申告運動の幅を広げ、会員企業とともに組織の発展につなげていく。
青色申告運動をいっそう活性化するためには、関係省庁や各種団体・機関との連携・協調が重要となる。青色コーナーや国税当局の受託指導事業はもとより、日本政策金融公庫との提携、農業関係団体との連携など各地域の状況に応じて、新たな活動に積極的に取り組んでいく。幅広い青色申告運動により、会員増強をおこない会勢拡大をめざす。
本会は、青色コーナー用リーフレットをはじめ、各種研修資料・テキストなどの充実を進め、ホームページを活用した情報発信や入会案内などの広報活動の強化をはかる。会勢拡大にむけて、ブロック連合会、県連ならびに地区会との情報の共有に努め、組織一丸となって青色申告運動を推進する。
また、働き方改革や個人情報保護法改正など社会情勢の変化に対応し、適正な組織運営を推進する。
組織運営の重要な担い手となる青年部ならびに女性部活動の充実・強化により、県連ならびに地区会の組織運営の活性化をはかる。

【重点事項】
1.青色申告制度の普及・拡大
2.各種団体・機関などとの連携・協調による会員増強運動の強化
3.青色申告制度・青色申告会などに関する広報活動の強化
4.ホームページ(http://www.zenaoirobr.jp)の充実
5.青年部ならびに女性部活動の充実・強化

Ⅲ 指導相談活動の充実― 指導相談体制の強化とブルーリターンA・イータックスの普及・拡大 ―

本年10月より消費税率の引き上げとともに軽減税率の導入が予定されている。また、令和2年分からは、青色申告特別控除65万円の適用にあたり、電子帳簿保存法への対応またはイータックスが求められる。
会員企業において、消費税に関する記帳から申告、請求書の記載などが円滑におこなわれ、また青色申告特別控除65万円を適用できるよう、改正内容の広報・周知を徹底し、指導相談活動の充実をはかる。
消費税改正に対応したテキストやブルーリターンAなどを積極的に活用し、適用税率ごとの区分経理をすすめ、記帳確認などきめ細かな指導相談活動をおこなう。会員企業の記帳水準の向上と青色申告特別控除65万円の適用にむけて、電子帳簿保存法に対応したブルーリターンAやイータックスのいっそうの普及拡大をめざすとともに、地域間の平準化をはかる。
個人事業者の事業承継税制について、制度内容の理解を深め、円滑な世代交代を通じて事業の持続的発展を支援する。
税制改正を含め、役職員の指導相談環境の変化などへの理解を進める。職能向上をはかり、情報通信技術を活用し、指導相談体制のさらなる強化に取り組む。

【重点事項】
1.役職員の職能向上と情報通信技術を活用した指導相談活動の充実
2.消費税・所得税改正などに関する広報・周知活動の強化
3.ブルーリターンAならびにイータックスの普及・拡大
4.複式簿記の普及と青色申告特別控除65万円適用の推進
5.指導相談計画の立案と指導相談体制の整備

Ⅳ 各種事業等の普及拡大 ― 事業活動を推進し収益事業を拡大―

会員企業が事業を継続・発展させていくためには、さまざまな経営環境の整備が必要となる。
全青色共済は青色申告会員の相互扶助を基調とし、生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的に創設され、新規加入年齢の引き上げなどの制度改正をおこない、会員企業の福利厚生事業を推進してきた。
また、小規模企業共済、中小企業退職金共済は、共同経営者(配偶者専従者、後継専従者を含む)の小規模企業共済加入ならび家族従業員のみでの中小企業退職金共済への加入を実現。事業の承継に関して必要となる資金の確保など、会員企業の経営基盤の安定・強化に貢献してきた。
各種制度の主旨を踏まえ、全青色共済などの特別普及運動や小規模企業共済のモデル団体制度を活用し、強力に加入促進をおこなう。
また、事業資金の調達や承継資金の準備など、日本政策金融公庫や小規模企業共済による融資・貸付の広報活動に努める。
青色申告会が安定した組織運営をおこなうためには、財政基盤の安定・強化が必要不可欠となる。ブロック連合会・県連ならびに地区会と連携し、事業活動を推進し収益事業の拡大をおこなうとともに、地域差を解消していく。

【重点事項】
1.全青色共済(傷害特約付)、全青色傷害、疾病入院補償の普及・拡大
2.小規模企業共済、中小企業退職金共済、中小企業倒産防止共済の普及・拡大
3.日本政策金融公庫や小規模企業共済制度の融資・貸付の広報
4.サイバープロテクター(専門事業者賠償責任保険)の普及・拡大
[カテゴリ:全青色][2019年6月号 4-7ページ掲載記事]