9月号

令和2年度 税制改正要望意見[2019年9月号]

全青色は、全国の青色申告会から寄せられた多くの要望をもとに、令和2年度税制改正要望意見を取りまとめました。個人企業の活力を取り戻すためにも、要望実現を求めて税制改正運動に取り組みます。全国の青色申告会の役職員、会員各位のご支援・ご協力をお願いします。

最重点要望事項

1.青色事業主勤労所得控除の早期実現

わが国には、個人事業主の勤労性所得を認める税制上のしくみはない。一方、個人企業と経営実態が類似する同族法人企業の社長には、役員報酬が支払われ、給与所得控除が認められている。両者に共通する勤労性所得に対する課税のあり方に不公平が生じている。このため個人事業主と社長とでは、所得税・住民税での税負担に大きな格差がある。
また伝統的な自営業者が減る一方、働き方の多様化により給与所得者に類似した雇用的自営業者やフリーランスが増えている。働き方の違いによって不利益が生じない公平な税制を構築すべきである。
青色申告をおこなう個人事業主に勤労所得控除の適用を所得税法上に認めることは、課税のあり方を公平にすることができる。青色事業主勤労所得控除の早期実現を要望する。

2.消費税制の簡素化

①軽減税率制度の見直し
軽減税率制度の導入は、その対象品目の区分けが消費者と事業者の双方にとってわかりにくく、小規模事業者の納税事務の負担が過重となることから、対象品目をはじめ軽減税率制度のあり方を見直すことを要望する。
②適格請求書等保存方式(インボイス制度)への移行の見直し
令和5年10月以降に予定されている「適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)」への移行は、小規模事業者の納税にかかわる事務負担に多大な影響を与える。あわせて同方式により免税事業者が、取引から排除されることが想定できる。
これまで請求書等にもとづいて、取引を課税・非課税・不課税等に区分経理等をする記帳をおこなってきた。複数税率が導入されても請求書等に一定の記載事項を追加することにより、区分経理等には十分に対応することができる。インボイス制度への移行を取りやめ、現行の請求書等保存方式を堅持することを要望する。

「その他の要望事項」を含めた税制改正要望意見の全文は
関連リンク「税制改正要望意見」よりご確認いただけます。
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