4・5月号

確定申告が終わったらおこなうこと[2023年4・5月号]

所得税や消費税の確定申告が終わったら、申告内容の再確認、振替納税などの準備、消費税の届け出、帳簿書類の保存などをおこないます。

確定申告書を確認しましょう

申告期限後に、申告に誤りや漏れを見つけたときは次のとおり対応します。

①税額を多く申告していたとき
更正の請求書を税務署に提出し、納め過ぎた税金を還付してもらいます。更正の請求は、原則として各年の法定申告期限から5年以内におこないます。

②税額を少なく(または還付税額を多く)申告していたと
修正申告書を税務署に提出し、新たに納付することになった税額を納付します。修正申告は、税務署から更正を受けるまでの間は、いつでもおこなうことができます。
※ 申告が必要であるのに申告をおこなっていないときは、税務署が所得金額や税額を決定します。修正申告や税務署による決定などにより納付する税額には、法定納期限の翌日から納付日までの期間の延滞税や加算税がかかることがあります。

納税の準備をおこないましょう

①振替納税の口座残高を確認しましょう
令和4年分の確定申告の振替日は、所得税が令和5年4月24日(延納分は同年5月31日)、消費税が同年4月27日です。残高不足などで振替できなかったときは、延滞税がかかることがあります。

②納税が困難なときは相談しましょう
一時に納税することにより事業の継続や生活が困難となるときや、災害で財産を損失した場合など特定の事情があるときは、税務署に申請することで、最大1年間、納税が猶予されます。所轄の税務署(徴収担当)にご相談ください。

③地方税の納税に備えましょう
住民税や事業税の納税額があるときは、納税通知書がそれぞれ送られてきます。原則として、住民税は6月、8月、10月、翌1月の年4回(普通徴収)、事業税は8月と11月の年2回に分けて納付します。

国税還付金振込通知書を確認しましょう

還付金には、支払日までの利息に相当する還付加算金が含まれるときがあり、次回の確定申告で雑所得として申告しなければなりません。税務署から送られてくる国税還付金振込通知書を確認してください。

予定納税や中間申告の準備について

①所得税の予定納税
令和4年分の所得金額や税額などをもとに計算した予定納税基準額が15万円以上のときは、令和5年分の予定納税が必要です。納税額は税務署から通知され、基準額の3分の1の金額を、第一期分が令和5年7月31日まで、第二期分が令和5年11月30日までにそれぞれ納付します。
※ 特別農業所得者の予定納税は、予定納税基準額の2分の1の金額を第二期分の1回のみ納付します。
※ 令和5年6月30日の現況で所得税の見積額が基準額より少なくなるときは、令和5年7月18日までに税務署に予定納税額の減額申請書を提出し、承認されれば予定納税額は減額されます。令和5年の第二期分だけの減額は、令和5年10月31日の現況で、令和5年11 月15日までに申請します。
②消費税の中間申告
令和4年分の確定消費税額(申告書⑨欄の差引税額)が48万円を超えるときは、令和5年に中間申告(納付を含む)が必要です。税務署から納税額が通知されます。

令和5年分の消費税の納税に備えましょう

消費税は所得税と異なり、延納ができません。確定消費税額が48万円以下でも任意に中間申告をおこなう制度やダイレクト納付により、あらかじめ税額の一部を予納するなど納税に備えましょう。

消費税の届け出をおこないましょう

令和4年分が免税事業者の方は、その年の課税売上高が1000万円を超えれば、令和6年は課税事業者です。すみやかに消費税課税事業者届出書を税務署に提出します。令和4年分が課税事業者の方は、その年の消費税抜きの課税売上高が1000万円以下であれば、令和6年は免税事業者です。すみやかに消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書を税務署に提出します。
簡易課税を選択するときやその選択を取りやめるときは、消費税簡易課税制度選択届出書または消費税簡易課税制度選択不適用届出書を適用する課税期間の開始の日の前日(令和6年分は令和5年12月31日)までに、税務署に提出します。

インボイス発行事業者の登録を受ける場合

インボイス制度が始まる令和5年10月1日からインボイス発行事業者の登録を受けるには、令和5年9月30日までに登録申請書を提出します。なお、個人の免税事業者が令和5年10月1日から令和11年12月31日までに登録を受ける場合は、消費税課税事業者選択届出書を提出しなくても、登録日から課税事業者になる経過措置が適用されます。この経過措置の適用を受ける免税事業者は、所定の手続きにより、インボイス発行事業者となった課税期間から簡易課税を適用することもできます。

帳簿などを保存しましょう

帳簿や決算関係書類は図表のとおり、保存しなければなりません。会計ソフトを使うときは、電子帳簿保存をおこなう場合を除き、紙に印刷して保存する必要があります。
※ 医療費控除の適用を受けたときは、確定申告期限などから5年が経過する日まで領収書を保存します。
[カテゴリ:確定申告,所得税,消費税][2023年4・5月号 6-7ページ掲載記事]
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