2・3月号

全青色女性部秋季リーダー研修会[2025年2・3月号]

日本公庫の「事業承継支援」の取組みについて
全国青色申告会総連合女性部は令和6年11月25日、秋季リーダー研修会を開催し、日本政策金融公庫国民生活事業本部(以下、日本公庫)の永沼智佳事業承継支援室長に講演いただきました。くわしい講演内容は本サイト(関連リンク参照)に掲載します。

事業承継とは
事業承継とは、現在の経営者から後継者に事業をバトンタッチすることです。信用や技術、ノウハウなど無形の財産を含めて、後継者に上手に引き継いで、次世代にわたって安定的な経営を図ることがとても重要です。誰に引き継ぐかによって、親族内承継、従業員等への親族外承継、親族でも従業員でもない第三者への承継の3つに分類できるかと思います。日本公庫が4年に一度おこなう事業承継に関する調査では、親族内承継が最も多いですが、親族以外の方に引き継ぐケースが年々増えています。

日本公庫の事業承継支援
日本公庫では、株式や事業用資産の取得、後継者育成などの承継準備に必要な資金の融資をおこなっています。さらに、事業承継の成功事例の発信やマッチング支援といった情報提供による支援にも力を入れています。
65歳以上の経営者にお会いした際には、「事業承継診断シート」を用いて、事業承継の準備状況や課題などをチェックし、その結果に応じた支援をご提供しています。すでに後継者候補がいる方には、事業承継にむけたワークブック「つなぐノート」をご提供し、課題の整理や準備計画づくりにお役立ていただいています。後継者がいらっしゃらない方には、事業承継マッチング支援をご案内したり、そもそも事業承継をまだ考えていない方には、将来に備えて事業承継事例集「ギフト」をご提供しています。課題によっては専門機関である「事業承継・引継ぎ支援センター」などの外部の専門家に取り次ぎもしています。これら「事業承継診断シート」「つなぐノート」「ギフト」などは、日本公庫のホームページに掲載していますのでご活用ください。

事業承継マッチング支援
事業承継マッチング支援とは、後継者不在の小規模事業者と、創業希望者や事業を拡大したい企業をつなぐ、マッチングサービスです。2019年度に東京都内で試行的に始め、2021年度から全国規模で本格的に取り組みを始めました。
事業承継マッチング支援には、次の特徴があります。
① 小規模事業者のご利用が中心
② 事業を譲り受けて創業を希望する方も買い手として利用可能
③ 名前を公表した後継者探しも可能
④ 日本公庫本店の専門担当者がサポート
⑤ 売り手、買い手ともに無料で利用可能
日本公庫の全国152支店のネットワークを活用して、近県だけではなく、全国から広く後継者を探すことができます。2024年9月末までの実績で、事業を譲り渡したい方の登録が約5千件、事業を譲り受けたい方の登録が約1万1千件です。これらの方々を引き合わせした件数が累計で1千711件、成約に至ったのが266件になります。どのような方が譲渡側に登録しているかというと、従業員がいないか5名以下の方が約9割、年商規模が5千万円以下の方が約7割です。譲受側では事業を受け継いで創業(スタート)する「継ぐスタ」が4分の1を占めています。

[カテゴリ:女性部,講演会][2025年2・3月号 8-9ページ掲載記事]
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