税区分等の把握と記入・集計
消費税は、原則として売上げにかかった消費税額から仕入れ等にかかった消費税額を控除し、その差額を申告・納税します。
しかし、消費税がなじまないものや社会政策的な配慮から課税することが適当でない取引として消費税が課税されない取引(非課税取引)があります。
また、国外で行われる取引や対価を得ない取引など、消費税が課税されない取引(不課税取引)もあります。
このため、日常の取引を記帳する際には、その取引ごとに、該当する税区分(課税・非課税・不課税など)を摘要欄に記入するなどして、後日区分・集計できるようにする必要があります。
また、令和元年10月以後の軽減税率制度の導入にともない、課税取引については、適用税率(旧税率8%、軽減税率8%、標準税率10%など)ごとに区分して記帳する区分経理が必要になりました。軽減税率8%の記帳の際には、「※」や「8%」などと摘要欄に記入し、凡例(記号の意味)も併せて記載しておきましょう。
消費税が課税される取引(課税取引):「課」「課※」や「課8%」など
消費税が課税されない取引(非課税取引):「非」など
消費税の課税対象外の取引(不課税取引):「不」など
輸出取引(免税取引):「免」など
なお、簡易課税制度を選択した事業者は、売上等の取引がそれぞれどの事業区分(第1種~第6種事業)に該当するかを記入し、適用税率も記載しておく必要があります。
法定記載事項
消費税では、帳簿および請求書等に記入する内容が決められています。このため、特に帳簿の摘要欄の記入が大切になります。法定記載事項を漏れなく記入するよう注意しましょう。
【帳簿の記載事項】
- 取引の相手方の氏名または名称
- 取引を行った年月日
- 取引内容
- 取引金額
【請求書等の記載事項】
- 書類の発行者の氏名または名称
- 取引を行った年月日
- 取引内容
- 取引金額
- 書類の交付先の名称
帳簿および請求書等の保存期間は7年間です
帳簿および請求書等は、7年間保存する必要があります。ただし、6年目と7年目については、帳簿または請求書のうちいずれか一方を保存すればよいことになっています。