1.青色事業主勤労所得控除の早期実現
わが国には、個人事業主の勤労性所得を認める税制上のしくみはない。一方、個人企業と経営実態が類似する同族法人企業の社長には、役員報酬の支払いが認められている。両者に共通する勤労性所得に対する課税のあり方に不公平が生じている。このため個人事業主と社長とでは、所得税・住民税での税負担に大きな格差がある。
青色申告をおこなう個人事業主に勤労所得控除の適用を所得税法上に認めることは、両者に対する課税のあり方を公平にすることができる。青色事業主勤労所得控除の早期実現を要望する。
2.個人企業における事業承継税制の確立
個人・法人を問わず企業の継続と発展は地域経済を支える。個人企業の事業承継時に事業用資産を非課税とする等の負担軽減措置(土地を除く)を認めた事業承継税制の確立を強く要望する。
3.消費税制の簡素化
① 軽減税率制度の見直し
平成31年10月以降に予定している「軽減税率制度」の導入は、その対象品目の区分けが消費者と事業者の双方にとってわかりにくく、小規模事業者の納税事務の負担が過重となることから、対象品目をはじめ軽減税率制度のあり方を見直すことを要望する。
② 適格請求書等保存方式 (インボイス制度)への移行の見直し
平成35年10月以降に予定されている「適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)」への移行は、小規模事業者の納税にかかわる事務負担に多大な影響を与える。あわせて同方式により免税事業者が、取引から排除されることが想定できる。
これまで請求書等にもとづいて、取引を課税・非課税・不課税等に区分経理等をする記帳をおこなってきた。複数税率が導入されても請求書等に一定の記載事項を追加することにより、区分経理等には十分に対応することができる。インボイス制度への移行を取りやめ、現行の請求書等保存方式を堅持することを要望する。
4. 青色申告特別控除 10万円を30万円に引上げ
白色申告者の記帳義務の拡大にともない、その記帳水準の向上のために、青色申告特別控除10万円を30万円に引き上げることを要望する。