12月号

令和2年分 源泉徴収の留意点[2019年12月号]

令和2年分の所得税は、給与所得控除や公的年金等控除の引き下げ、基礎控除の引き上げなどがおこなわれます。それにともない、令和2年1月1日以後に支払う給与などの源泉徴収でも見直しがあり、源泉徴収税額表が改められていますのでご留意ください。ご不明な点は、国税庁のホームページや最寄りの税務署でご確認ください。

◆配偶者に係る控除適用の見直し

⑴ 給与や公的年金などの源泉徴収における源泉控除対象配偶者に係る控除については、夫婦のいずれか一方しか適用できないこととされました。

⑵ 居住者の配偶者が、給与や公的年金などの源泉徴収で源泉控除対象配偶者に係る控除の適用を受けている場合(その配偶者がその年分の所得税につき、年末調整をして配偶者特別控除の適用を受けなかった場合または確定申告書の提出をして配偶者特別控除の適用を受けなかった場合などを除きます)には、その居住者は、その年分の所得税の確定申告において配偶者特別控除の適用を受けることができないこととするなどの所要の措置が講じられました。

◆控除対象者の所得要件などの見直し

⑴ 同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額要件が48万円以下(現行:38万円以下)に引き上げられました。
※ 同一生計配偶者は、納税者本人と生計を一にする配偶者、扶養親族は、納税者本人と生計を一にする親族です。いずれも青色事業専従者として給与の支払いを受ける人及び白色事業専従者を除きます。

⑵ 源泉控除対象配偶者の合計所得金額要件が95万円以下(現行:85万円以下)に引き上げられました。
※ 源泉控除対象配偶者は、納税者本人(合計所得金額が900万円以下である人に限ります)と生計を一にする配偶者で、青色事業専従者として給与の支払いを受ける人及び白色事業専従者を除きます。

⑶ 配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額要件が48万円超133万円以下( 現行:38万円超123万円以下)とされ、その控除額の算定の基礎となる配偶者の合計所得金額の区分が、それぞれ10万円引き上げられました。
※ 配偶者特別控除額の対象となる配偶者は、納税者本人(合計所得金額が1,000万円以下である人に限ります)と生計を一にする配偶者で、青色事業専従者として給与の支払いを受ける人及び白色事業専従者を除きます。

⑷ 勤労学生の合計所得金額要件が75万円以下(現行:65万円以下)に引き上げられました。
※ 勤労学生とは、納税者本人が学校教育法に規定する高校・大学・高等専門学校などの学校、一定の課程を履修させる専修学校や各種学校、職業訓練法人などの生徒または学生などで、勤労によらない所得が10万円より多い人です。
[カテゴリ:源泉徴収, 所得控除][2019年12月号 10ページ掲載記事]
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