8・9月号

全青色女性部春季リーダー研修会  頻発する自然災害について 〜自助・共助・公助〜[2023年8・9月号]

全国青色申告会総連合女性部は令和5年6月6日、春季リーダー研修会を開催し、国土交通省関東地方整備局長廣瀬昌由氏に講演いただきました。くわしい講演内容は本サイト(関連リンク参照)に掲載します。

治水の歴史

日本は地震や水害が昔から多く、農耕社会ではとくに水の制御が課題でした。現在の治水対策の原則は、できるだけ河川の水位を下げることです。川底を掘ったり、堤防を広げたり、放水路という川のバイパス、ダムや遊水池を作ることが基本政策です。

地球温暖化と気候変動

治水対策で浸水被害の面積は減ってきましたが、地球温暖化で気温が2度上昇すると降雨量が約1・1倍、同じ規模の洪水の発生頻度が約2倍になると言われています。日本の南海の海水温が上がっており、より強い台風が来るという予測もあります。非常に厳しい状態とご理解ください。

流域治水の取り組み

川のはんらんをできるだけ減らす対策、またおこったとしても被害をできるだけ減らす対策、そして、おこることを前提にできるだけ早く復旧する仕組みを組み合わせておこなう流域治水に取り組んでいます。皆さんに防災を意識してもらうことが大事ですので、地域の水害リスクマップやハザードマップを国土交通省のホームページで提供しています。

マイタイムラインのご用意を

災害への対応は、やはりご自身の行動計画に落とし込んでおくことが大切です。最後に命を守るのは皆さまご自身です。どういう状態になったらどういう行動を取らないといけないか、ご家族、ご友人、あるいは地域でぜひ議論いただきたいと思います。

関東大震災から100年

関東大震災の時は火災で亡くなった方が多く、10万人以上が亡くなっています。当時は、地域の高齢者を知る婦人会などがボランティアで食料を配ったりしました。家屋の崩壊が多かった阪神淡路大震災の時は、救助の主体の8割近くは住民だったとのことです。このような教訓をしっかりと活かし、今の英知を絞って、どのようなことがおこるかを考え、準備することが必要です。
女性部の皆さま方は地域のリーダーとしてご活躍いただいていることと思います。災害がないことを祈るわけですけれども、必ず来ると思って備えていただきたいと思います。いざという時には、自助・共助の精神を発揮いただけるように、行政も公助に取り組んでいきたいと思います。
(講演要旨、文責在記者)
[カテゴリ:女性部,講演会,災害復興支援][2023年8・9月号 7ページ掲載記事]
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